「今年触れて印象に残った作品」の感想を残します 2023/12/30
はじめに
年末が近づいてくる度、このまとめ記事を書かないといけない義務感に駆られています。ああいや、誰に強制されてるわけでもないんですけどね。勝手に追い詰められています。そういうことって往々にしてあるよね。
というわけで、「今年触れて印象に残った作品」の感想を残していきます。直接的なネタバレには配慮しますが、間接的なネタバレはあるかもしれません。
また、Kg9lxの中で「印象に残った作品」なので、選ぶ基準は面白さとかではないです。
たとえば2023年に遊んだゲームとして『ティアキン』が群を抜いて面白かったけど、特に語りたいことも強い印象もないため選びませんでした。
そんなKg9lx内でも激しい闘いを勝ち抜いた珠玉の「印象残り作品」たちの感想をどうぞ!(無駄なハードル上げ)
- はじめに
- 1. 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです
- 2. 偽聖女クソオブザイヤー
- 3. 悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします
- 4. 負けヒロインが多すぎる!
- 5. ハミダシクリエティブ/ハミダシクリエティブ凸
- 6. 十三機兵防衛圏
- おわりに
1. 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです
パーティーから追放されて人間不信になった同士で、新たにパーティーを組むことになる系のお話! コンセプトからして正道をズラしてる感じが好みです。
舞台はファンタジーなんですが、妙に現代っぽいアイドル(裏に彼氏がいて生々しい)が出てきたり、算術と殴り合いを掛け合わせた『算数ベアナックル』という競技がシリアス面して登場したり、既存のなろう文脈を平気な顔して破壊していくところがWEBの系譜っぽい。そもそも原作者のひとがやる夫スレ出身らしいことをTLで見ました。型に囚われない感じがまさにそれ。
ひとつひとつの細かな設定や演出が、この作品でしか味わえなそうな絶妙な組み合わせでした。
このアニメ、二期も三期も続いてほしいな~と願う一方で、不安定な作画から繰り出されるやや王道から逸れた展開を前に「この作品の続きは”無い”んだろうな……」と察しながら観る時間ほど苦しいものはない。いや嘘。言うほど苦しくない。本当は「最後を見届けるか……」ぐらいの気持ちでいます。
でも間違いなくこの作品からしか摂取できないナニカはあって、原作者と監督の作家性が色濃く出ている。最終回の静かな雰囲気とかね。クライマックスに向けて盛り上がっていく構造とは真逆で、挑戦的ながらもしっくりと収まっていたのは凄かったですね。
表層だけを流し見してると低評価を付けてしまいそうになるけど、その奥に込められた演出意図を考えながら観ていくとどんどん好きになっちゃう系の作品だった。
監督ひとり原画のEDも、あえての低予算感が逆に印象深いものになってました。ていうかこの「Never Fear」自体が良い。鬼リピした。
基本的にサブスクでアニメ観てたらEDは飛ばしてしまうものですが、冒頭と画作りのよさだけで惹きつけられて毎回観てました。そういう作品ってあるよね。
余談ですが、2023年秋アニメのEDは『帰還者の魔法は特別です』の「6を撫でる」が個人的にぶっちぎってた。こちらもかなり好きなアニメなので、よろしければ是非!(後方関係者ヅラ)
2. 偽聖女クソオブザイヤー
内面イカれてる系の男が、ゲームの世界の偽聖女にTS転生しちゃう系のお話!
これは本当に驚かないで欲しいんですけど、田中ロミオフォロワー作品です。電波が降りてきたので間違いありません。CROSS†CHANNELの影響をゆんゆんに感じます。ビビッと来てる。
原作小説は主人公の一人称視点と周囲からの三人称視点が交互に来る作りで、主人公からすればよろしくない行動なのに、傍からは完璧な聖女に見えるやつです。
勘違い系の亜種。自分のための行動が、結果的にとんでもない善行になっている系。
終盤につれて本作の特徴はエスカレートしていくんですが、それが色濃く出たラストバトルが本当によい! 人間性の欠けた主人公がどうやって世界に向き合っていくかの答えや、問題の解決方法、周囲のキャラの視点が泣ける。
たとえ主人公の行動が意図していない受け取られ方をされても、主人公に救われたキャラの感情自体はまちがいなく本物で、第三者視点から見た主人公が(そのイカれた内面を知っていても)美しすぎる。ラストバトルの演出の良さだけでもう優勝です。
というか小説読んで泣いたの久しぶりかもしれないですね。え、WEB版読んじゃったけど書籍版買っちゃおうかな……コミカライズ版もちょろっと読んだけど見た目可愛すぎて、え、えぐいてぇええええええ!!!!!(そのへんに居る大学生)
WEB連載の可能性を感じる作品でしたね。書きたいものが明確でありながら、読者を喜ばせる気配りも忘れず、しっかり巨大な物語を展開しているのが凄まじい。これを突然あらわれた作者がどどんと最後までお出ししてくれる良さがある。過去作とか読みたすぎ~。これが処女作だった場合、あまりの才能に血を吐いて死にます。それぐらい良かった。
3. 悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします
転生したらゲームのマジ性格終わってるラスボス女王だったので、知識活かして酷い展開を回避しちゃおう系ファンタジー!
第2話を見終わって自動再生の3話を見ようと思ったら、なぜか話数は2を表示していた作品。1話があまりにも濃すぎて2話分見ていたと勘違いしてました。その時点でもう『ラス為』に惹き込まれていたのかもしれない……ググッとね……
4話にて、助けられた騎士団長がチート主人公と討論をする展開があるんですけど、ここが一番よかったかもしれない。お互いがお互いを想っているという善性から成る対立に弱い!
基本的には優しく流れるはずの世界に対して、理不尽で破壊的なものが現れる(本来の最悪ラスボス女王がその象徴)。そういったものに対抗するには、まぁ力や意志が要るよねって話なのかな。書きながら整理しています。
騎士団を襲ったテロリストが、隷属の魔法(でしたっけ?)で弱者に陥った先で優しい世界を知るも、別の破壊的な者に奪われそうになる下りとか、かなりテーマに即した作りだと思った。ありがちと言えばそうなんですが、このへんのサブプロットは疑似家族モノとして普通に泣ける仕上がりになってたのでおすすめです。
ちなみに、友達に薦めたら途中で観るのやめてて「これ『はめふら』ですよね?」って言ってきてワロタ。そんなことはないです。
ちなみに、アニメ視聴後になろう原作を読んじゃお~ってウキウキで様子見に行ったら880万字あって一目散に退散しました。読み切れるわけないです。
2023年の11月はなろう系アニメにハマって、1月で500話観ました(スクショは途中経過)。倍速機能を使えば、どんな微妙な出来でもするする流し込めることが判明! Dアニメストアありがとう。
世間の風潮に流されてなろう系を少し避けていたところはあるのですが、観てみればちゃんと面白かったりする。しかしこれは二倍速だから耐えられてるのかもしれぬ……
『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』とかけっこう楽しんで視聴していて、9話なんかではキャラの感情に引っ張られて泣いちゃったりもしたんですが、視聴後にネットで調べたらスマホ太郎の弟、デスマ次郎と呼ばれており、卒倒してしまいました。世間のみんなは厳しすぎる。
この2ヶ月は色々な異世界ファンタジーに触れましたが、現実世界でないからこそ描けるキャラの感情を追うのが好きだなーという気づきがありました。転生モノも書いてみたくなった。なろう系マラソンもやる価値はありましたね。『防振り』の一期11話でギブアップした以外、40数本ほぼすべて完走できました。メイプルの話だけは振らないでください。代わりにサリーちゃんの話をどんどんしていこう。メイプルアンチスレ民(各話の最後に画面外で呪詛を唱えている)からは以上です。
4. 負けヒロインが多すぎる!
めんどくさい負けヒロインたちと青春を過ごそう! これがTVアニメ化しなかったら嘘だからっていう出色のシリーズ。放送を楽しみに待っています。
Kg9lxは良くも悪くも不遜なので、最近のラノベに対して大体は「ふうん。ま、いいんじゃない?」と飄々としているのですが、負けインに関しては今年入って読んでみて「あわわわわ」と慌てふためいてたし、多分おしっこも漏らしてたと思う。
ホントに現代ラノベが上手いんですよね。擦られ倒してるから話題にしたくないんですけど、青春ラブコメのヒロインに『焼塩檸檬』って名前付けられる普通?? キャラクターの飽和した時代にあって、こうも納得感があって印象に残る名前を付けられるのが凄いです。キャララノベをやろうとしてるのが偉い。上から目線とかではなく、格ゲーなどで上手いプレイを見たときの「偉い!」が出ています。
とことんライトノベルという媒体に特化している印象がある。たとえば現在形で文末を占めることによるドライブ感なんかは一巻時点でも見られます。淡白な会話劇も、するりと入り込んでくる。結果として読書体験が加速する。
さくっと読めて、キャラが生っぽさとラノベっぽさを兼ね備えた魅力を持ち、テーマを深く読めるサブテキストも撒かれていて、んー、ほんと隙が無いな?? 夜道で『負けイン』と出会ったら”死”を覚悟するしかない。逃れられません。
己の師事する創作の流派とは反対側にいると勝手に思ってるのですが、真反対の流派の”才”を初めて正面から確認したなぁという印象が強い! 読者としても創作者としてもファンになってるので、もっとバンバン続刊が出てほしいですね。12巻ぐらいで完結してほしすぎる(往年のラノベ読者)
5. ハミダシクリエティブ/ハミダシクリエティブ凸
社会からハミダシちゃった不登校クリエイターたちと、生徒会で青春イチャラブしちゃおう系エロゲー!
担当ライターが、つり乙シリーズのライターでお馴染み東ノ助さんの変名であるという噂は聞いていた今作。プレイして数分で間違いなく本人だと確信しました。語彙とかリズム感とかまんまじゃん。
「王雀孫の直系の弟子のひとが、現代エロゲのキャラゲーに挑戦したらこうなる」という贅沢なものを見せてもらった気がします。
各ヒロインのルートにコンセプト的な機能を持たせてるのも設計思想として上手かったなぁ。R-18描写に力が入ってる子もいれば、作家性のメッセージに特化した子もいた。
や、後者は勝手に言ってるだけなんですけどね。過去のトラウマで男性不信+引きこもりになった錦あすみルートが特に印象に残りました。Vtuberを頑張っている子。
電脳世界とこちらの現実世界を切り分けて、別世界で頑張ることで現実世界でも前向きになって引きこもりを脱出する。ハミダシていた時間のおかげで外に出られるようになったというのは、錦あすみの選びとった道であると同時に、『俺つば』を受けての東ノ助さんからのアンサーでもある気がしました。
この一文に込められた肯定のメッセージは、錦あすみの心からの実感であり応援なのはもちろん、変名をして別のエロゲ会社から再出発をした東ノ助さんの声でもある気がして勝手にグッと来た。なんならちょい泣きました。あんまこういう読み方って褒められたものじゃないかもしれないけど。
乙りろ、つり乙2.2を経て、さらに磨きが掛かった実妹ルートも本当に良かったですね……まだアトレルートやれてないけど……
ハミクリ凸追加ヒロインである天梨ルートがいちばん度肝抜かれたかもしれない。
特別な出来事とかあんま起きないで可愛いギャルとの恋愛を丁寧に描いていくだけなのに、ひたすら面白くて焦れったい、そんな恋模様を高い質で追体験できました。テキスト良すぎ。プレイ後に「ら、ラブコメの到達点!?」とひっくり返ったのは当然の話!(朝青龍)
何気ないシーンを味わわせるのが上手すぎるんすよね……一級品だ……つり乙でも、焼き芋を同僚メイドと食べちゃう何気ないシーンが印象的でした。こういった点に力を入れてるのはライター本人のポスト(っていうか呟き)でも確認できます。
https://x.com/tuchiyamalove/status/398645777364303872?s=20
そういえばつり乙の時に主人公とモブメイドが焼き芋の会話するだけのシーンがあるんだけど、アンケートの「良かったシーン」の項目で挙げてくれた方が一人や二人どころか数人いて軽く脳汁出た
— のす (@tuchiyamalove) 2013年11月8日
モブメイドと焼き芋の会話させるのには三日くらい掛かった。時間なかったのに。焼き芋作ろうぜという会話させるためだけに三日。もうね。自分でも何やってるのかと。阿呆かと。そんな箇所が面白かったなんて言ってもらえたらそれは鼻血吹くよね
— のす (@tuchiyamalove) 2013年11月8日
短いテキストのやり取りでも会話の面白さを突き詰められるのに、長文で物語を整理するのも上手いのが凄すぎる。「ここのスタンスを不明瞭にしていたらキャラの好感度が下がりそうだな」というところを、長台詞を使ってでもきっちり明確にしてくるあたりとか。繊細なところへの気配りを忘れない姿勢◎。
ある程度はエロゲ的で現代エンタメ的な都合のよさがあるんですけど、それでも作り手がキャラの人生に真摯に向き合っているという感があった。結果としてハミクリの登場人物は(エロゲのキャラクターとして)機能的に魅力的なまま、ひとりの人間として生きてるんですよね……プレイ中はただ感銘を受けまくりだったので、ハミクリについてはもっと深く考えたいなと思いました。まる。ぶっちゃけ東ノ助は神。
あとクリエイターヒロインが高校生でフォロワー数十万人とかいるのを見ると「こ、殺してくださーい♡ ザコでごめんなさーい♡」という気持ちになるよね?(あるある)
6. 十三機兵防衛圏
複数の時代を舞台に、13人の主人公を描くSF群像劇! って公式サイトに書いてました。
視点キャラもそうでないキャラも、全員良かったです。少ない手数でキャラ立ちが成されている。『十三機兵防衛圏』と『ハミクリ』を続けてプレイした結果、名作に比べてKg9lxはんのキャラ作成はカスやという気持ちになった。が、頑張りたい。
時系列シャッフル系と聞いて、プレイ前はビビっていました。理解できるのかなって。同じような作りの『最果てのイマ』を雰囲気でプレイし、クリア後の考察サイトを見て「あー、こういう話だったのか……」と遅れて知ったから。
そんな不安の中プレイした『十三機兵防衛圏』。やってみた所感としては、プレイヤー側に推理する余地をだいぶ与えてくれて、雰囲気で遊んでもなんとなく謎を追える。答えが綺麗に入ってくる!
この「理解(わか)らせ力」が大事だな~と思った。謎を謎として明示し、その答えもばばんと適切なタイミングでお出しするパワー。
一部の感想では「商業のふりした同人ゲー」と呼ばれてるぐらい作り手の色が濃く出ている作品、だからこそ理解らせる力が必要だよなぁと、怪腕でもって展開されるストーリーを追っていて思いました。飽きさせない工夫も張り巡らされてる。プレイ中は、何回予想を裏切られるのこれって驚かされっぱなしだったよね。
いやまあ、ストーリーの緻密さとかは他のひとが語ってくれるから別によくて。
少ないテキストのやり取りでこうもキャラが立ってるのが印象深いっていう話をします。
こことか凄く盛り上がる場面でないのになんか引っ掛かる言い回しで、クリア後に調べたら名台詞として紹介されてました。皆なんとなく心に残ってるって凄くない?
このキャラなら、こういう行動をしたうえで、こう言うよねっていう分かりみが深い。それを提示できるなら短いダイアローグでもいいのだという学びがあった。
そのキャラが言いそうかどうか、を受け手が理解する基準は、「各キャラの来歴からなる行動」を序盤から表層に出し続けることで形成されて~、ゆえに初手から全行動にキャラ性を乗っけるのが大切で……みたいな。みたいなことです(長くなりそうなので切る!)
まあしっかりキャラの人生に向かい合おうねって話で、『ハミクリ』と同じ学びを得た。得ました。
クリアまで25時間ぐらい、先が気になりすぎてSwitchの前に齧りついてた。途中いきなり性癖に刺さるシーンが立て続けに訪れて脳がめっちゃ興奮したりもした。いや面白かった~。全作品の中でも最上位に入る好き度かもしれない。おすすめです。
おわりに
今年もなんとか更新できましたぜぇぜぇぜぇ……
他にも『Hollow Knight』とか『ENDER LILIES』を裏まで含めて全クリして、「やーKg9lxってゲーム上手いな!」と調子に乗ってたらスマブラ魔境帯に心折られた話とか書きたかったけど、残念ながら体力切れです。むしろ切れて良かった。
いつも年末に焦って記事を書き始めて最後はガス欠になっています。過去記事を見たら、Kg9lxもアカウント開設から3年が経過しているそうですね。とても恐ろしい。
年始の楽しみであるフリゲ2023(各年のフリーゲームの人気投票です)も、今回で最後の開催ということで、時代の流れを感じまくりです。
果たして来年は更新があるのか……!?
ぶっちゃけ需要とかなくても見返すと楽しいので、更新します多分。割りとめんどくさいけど。
2024年は、Kg9lxにとって自由に創作に打ち込める最後の年になる可能性が高いです。だからこそ、「モア!ジャンプ!モア!」の精神で走り抜けるぞ――!!!!!
「今年触れて印象に残った作品」の感想を書いていきます 2022/12/31
はじめに
3年連続の年末投稿です。ほぼ義務感で投稿してます。
直接的なネタバレは控えますが、間接的なネタバレはあるかもしれません!
それでもよろしければ是非読んでみてくださいね。ではどうぞ~。
1.映画『ゆるキャン』
一作目はこちら、映画『ゆるキャン』!
大人になったなでしこ達が久々に再集結、みんなでキャンプ場を作っちゃおうという内容です。まぁ泣きすぎてゲボ吐きそうなぐらい泣けたよね。不快すぎる時の赤ちゃんと同じ状態にしてくれてありがとうゆるキャンさん。バブバブ。
作品から「それでも日常を送っていくぞ!」というメッセージを感じ取ると、もうがんがんに刺さってしまいます……ゆるキャンからは特にその精神を感じる。
だからこそ、数ある日常系作品の中でもとくに好きなのかもしれません。なぜ感動したかの話をもうちょっと掘り下げます。
まずアニメ1期のテーマとして『知識を用いて、うまく道具を使えるか?』がありました。
なでしこ達は女子高生だからお金がない、という描写が何度も挟まれる。だから安い道具を工夫して使わないと、キャンプが楽しくないものになるんですよね。
ゆえに、道具にまつわる知識が重要になってくる。
そしてアニメ2期では『空間をこえて繋がって孤独を打破できるか?』が問われていました。どこがゆるいキャンプなんだ。めちゃくちゃ壮大だなコイツ。
これはなでしこ達「野クル」軸のテーマで、いかにして孤独に立ち向かえばいいのかっていう話。
そう、ひとりは寂しいし怖い。実際に2期の5話で野クルメンバーは、冬の山で孤立して凍死しかけました(きららアニメを紹介する文面か?)
けど、ひとりはひとりで楽しい。それはソロキャン少女によって何度も示されています。現代ではインターネットによって、その楽しいぼっち体験もリアルタイムに共有できる。
高校時代のなでしこ達は、バラバラに活動していても空間を超えて常につながっています。すごいな現代。スマホもまた道具です。適切に使いたいね。
もう一方はリンちゃんの軸。『時間という運命にどう立ち向かえばいいのか?』というテーマ。時間だの空間だのディアルガとパルキアかこいつら。
人生という時間は限られてます。老いるし死ぬしでマジ最悪。計画したことは運命によってポシャることもある。2期のリンちゃんもキャンプ中、そういったトラブルにばかり遭遇します。
ですが、家族や先輩といった「先人の教え」によって、リンちゃんは運命を楽しむことを学んでいきました(たしか)。実際、家族キャンプは2期の主題だそうです。
堀田 「(『SEASON2』で)何をやるんですか?」って言われたときに「まだ家族キャンプってやってないじゃないですか」と話したんですよね。そうしたら監督が「ああ、家族かぁ」って言ったのを覚えてます。
家族や先輩といった「過去」から知識を受け継ぎ、「今」という限られた時間のなかで運命を楽しんで、それを同じ空の下にいる仲間と分かち合う。道具をうまく使っていけば、きっと孤独も乗り越えて楽しく生きていける――
キャンプって人生だったんだ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これからはコピペの「CLANNADは人生」のところ、キャンプに書き換えときますね~(荒らし)
ようやく劇場版の話をします。
アニメから見て「未来」のなでしこ達が、シリーズで得た学びをすべて活かして頑張ってたのが本当に泣けましたね……ちゃんと繋がってるんだよ……ぜんぶ……
「お金・孤独・時間・空間・運命」という歴代の敵オールスターが襲いかかってくる中、道具を駆使して戦うなでしこたちの姿には涙を禁じえませんでした。ゆるキャンを壮大なバトルものとして見てる節がある。
キャンプ場という人生を支えてくれる空間を、先人として提供しようと頑張るみんなの姿がもうね……もう……数分に1回の頻度で泣いた。誇張抜きで。素晴らしい。
日常系アニメの劇場版としてKg9lxの中では優勝です。
みんなも観よう、映画『ゆるキャン』!
2.飛ぶ教室
まもなくクリスマス。街全体が楽しい雰囲気に包まれるなか、寄宿学校の少年たちは、波瀾万丈のクリスマス劇「飛ぶ教室」の稽古に励む。ある日、マルティンに母親から手紙が届く。そこには、マルティンがクリスマスに帰省する旅費を工面できなかったと書かれていた……。
たとえ運が悪くても、元気を出せ。打たれ強くあれ――温かなメッセージが込められた、少年たちの成長の物語。
あらすじ書くのダルかったからAmazonの説明欄から引用してきたけど、筋だけ引っ張ってきても全然おもしろそうじゃないな???
いや、この作品も泣けるんですよ。小説を読んでて涙があふれて止まらなかったのは始めてかもしれません。2022年はKg9lxが創作で泣きやすい年。感受性が育ってきたっぽいね。あるいは単に精神が不安定という説もある(助けて!!!!)
舞台は寄宿学校という閉鎖的な空間。そこで生きる主人公たちは、いろんな格差を感じながら、それでも前向いて成長していくんですよねぇ。王道で素晴らしい!
特に何がいいって、子供を見守る大人たちの存在でした。Kg9lxは「大人になりたくね~~~~」とありがちな事を言いながら、けっきょく彼らの視点も理解できるようになってしまっていた。やっぱり子どもには、幸せな幼少期を過ごしてほしいね……
それと、閉じた空間で密やかに交わされる『無償の愛』の描写が素晴らしいんです。大っぴらにせず、相手のためだけを思って行われる善行は尊い。尊みが深い……えっ無理……マジしんどい……(飛ぶ教室で限界オタクになってる珍しいやつ)
あー、こういう話が書きたいなぁ。成長してしまった今にこそ児童文学に触れる楽しみが、少し分かった気がします!
照れ照れ。
3.世界を破壊する魔法
夕暮鴉はイマジナリーフレンドのフェアリーハートをある日突然失ってしまう。彼女は昔、団地の裏の雑木林に「世界を破壊する魔法を埋めた」と言っていた。夕暮をモーレツにいじめている朝野光と共に世界を破壊する魔法をさがす日々。そんなある日、クラスの人気者平野蛟が話しかけてきて……!?引用サイト:https://sekahaka.kokage.cc/
「破壊 × IF × いじめ × 百合」だ! うわー、たまんないや! はやくプレイしないと! いそげやいそげ、のりおくれるな! と童話のザコぶりながらDLしたフリーゲームはこちら。『世界を破壊する魔法』です。
プレイ時間は「1時間~1時間半程度」が公式の目安だそうで。さくっと遊べてお手軽ですね。Kg9lxはプレイ中に”喰らいすぎ”て、休憩しながら遊んだから割と掛かったが……
ドロリとした生臭い描写を、可愛らしい絵柄で展開していくのが本作の特徴。100枚を越えるCGといい、フェチを感じる展開といい、制作側のやりたいこと/やれること/好きなことがぎゅぎゅっと詰まっててすごく良かったです。濃密なプレイ体験だった。
なにより、破壊、いいですよね。そしてイマジナリーフレンド、いいですよね。解離は内側に向けた防衛機制なので、それが消えて不安定なまま外側に向かわされていく主人公の姿は応援したくなっちゃいますね。がんばえ~!
まぁ閉じてるところを無理やり開いてもダメなことが多いので、主人公の鴉ちゃんはどんどん追い込まれていきます。とくに中盤の描写がしんどくて、プレイ中、呼吸が苦しくなりました。精神的に不安定なだけ説が濃厚になってきたな?
心よりも先に体がしんどい反応を示すということは、プレイ中、それほど感情を動かされたってことだと思います。「ああ今苦しいんだな」って息遣いで気づいたし。早く世界を破壊する魔法を見つけてブッ壊れねーかなとも思ったし。
ラストのネタバレ(反転)→だからこそ終盤で世界を壊したとき、すっきりしたと同時に「あーーやりすぎやりすぎ!!! だめだめそんなことしちゃ!!!」と思ったので、プレイヤーとしての投影がそこで切り離された感はありますね。ふたりだけの世界を作り出されちゃった。でも、それが世界を壊した彼女たちの正解で選択なんだから仕方ない。個人的には壊れた世界で生きていく選択肢の方が好きです。それでも生きていけ……ふたりで……
あと絵! かわいい! フェチを感じる! 月並みなことしか言えない!
この作品に感情を動かされたのは、苦しそうなキャラの表情が本当に苦しそうだったからで「ノベルゲーとしての強さがすごい……」と感嘆しきりでした。
そりゃフリゲ2021で選ばれるっすわね……
Kg9lxは2022年、自我を薄める方向で商業創作をがんばっていたのですが、この作品に触れて「商業以外の場所ならもっとエゴを出していいんじゃないか?」という学びを得ました。フリゲ作りを頑張るぞ!
犬になりきってて可愛いね♡
4.プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat. 初音ミク
コンテンツとして巨大すぎる! 有名なのであらすじは割愛します。
『世界を破壊する魔法』で個に惹かれたとするなら、こちらは群に惹かれました。複数のトップクリエイター陣と、圧倒的な商業力にはおったまげるばかりです。
とにかく成功するぞ、という意思を常に感じますね……客を惹くための導線づくりの上手さがハンパではない……
この動画がKg9lxとプロセカの出会いでした。最初は「ふーん、かわいいじゃんw」と冷やかしのつもりだったのですが、リピートするうちに「この子達どんな性格の子なのかな」とまんまとインストール。あれよあれよと沼にハメられてました。想定通りの動きをする良い客だな。
まず過去のイベントストーリーが全部読み放題なんすよね。そりゃソシャゲマネーも現実マネーも出さずに最新話まで追えるんだからハマります。暇だし。今から始めるなら未開放のメインストーリー(全体のプロローグ)をYoutubeでごにょごにょするのがオススメ。Vも実況してるし、公式も要約した動画を上げています。
既にプロセカが生活の一部になっていて、毎日のようにボカロ曲のカバーを聞いています。まさか未だに『ハッピーシンセサイザ』を聞きまくってるとは……中学生だった自分も想像してなかったろうね……
いっちょまえに商業的な観点からストーリーの話をします。
プロセカは複数の音楽ユニットからなる群像劇ですが、そのどれもがユーザーに人気がある。
その中でも一、二を争う人気である「25時、ナイトコードで。(以下ニーゴ)」は、ユーザーに対してストレスの掛かりそうな暗く重たい設定を持っている。ここが挑戦的で凄い。
まあ、言うてソシャゲですからね、「軽い気持ちでやりたいなぁ」ってのが大半の人の姿勢でしょう。だからこそ工夫して、ストレスに弱い現代人を序盤から引っかけないといけないのですが、ニーゴは突出した力によってユーザーに飴を与え、引き留めている。
奏には作曲の才があり、絵名には自撮りの才があり、瑞希には可愛さの才があり、最も重たいまふゆにはすべての才能がある。これは羨むべきポイントであり、なろう作品でいう天性のチートのようなものです。読者が読みたくなる最初の理由。そこで掴んだら、あとはその才能によってキャラを苦しめる。こうすれば合理的に飴と鞭を与え続けながら飛行しつづけられる。
ヘンプリもそうでしたけど、なろう系メソッドで大量の飴を与えられると、鞭が激しくても「飴欲しいし……」で耐えられるんでしょうね。Kg9lx耐えたし。
この形式が、今後しばらくのトレンドなんだろうな。
――といったように、軽く触れて言語化するだけでも、しっかりと商業的に考えられてることがわかります。小学生すら虜にしちゃうのも納得。一線で活躍してるクリエイターのひとって凄いんだな……
Kg9lxも精進するぞ!! と頑張って毎日タイピングしてご褒美に毎日プロセカやってたら関節に負荷が掛かりすぎて腱鞘炎になりました。手首と指が痛い。なう痛い。
年末年始はゆっくり過ごそうと思います…………
おわりに
年末年始の振り返りって好きなんですよね。
Kg9lxはミーハー気質なので、『フリゲ2022』や『音MAD10選』が楽しみで仕方ありません。年を越す楽しみのひとつではある。
この場末のブログも、だれかの楽しみになってることを願って、年末にはなるべく更新したいです。
それと今年は勉強のためのインプットが多かったです。来年は、もっともーっと自分を楽しませるためのインプットをやっていきたいな。
2023年は(全身全霊!MORE MORE JUMP!!)するぞ!!!!!!!
ヘンプリ クリア感想 メモ
「今年触れて印象に残った作品」の感想を書く 2021年12月31日
はじめに
こんばんは。Kg9Lxです。あいかわらず名前がタイプしにくいな。年の瀬にイライラさせるな『Kg9Lx』!(←文字を叱ってます、これは)
記事内容はタイトルの通りです。『今年触れて印象に残った作品』について書きます。選考方法は、年の瀬に振り返ってみて「いまの自分に影響を与えているな」と思ったかどうか。
ただただ「面白かったなー!」と感じた作品は泣く泣く除外しています。それも入れると200個を越える。そんな記事を書くことはできない。12個目くらいで完全に飽きるだろうから……
はい、前置きおしまい! サクサク行こう。時間もなければ体力もないので書き飛ばします。
アニメ部門
1. 「えんどろ~!」
ユーシャちゃんは勇者だけど、どこか天然気質な女の子。魔王のマオちゃんは、実は寂しがり屋でポエマーな女の子。彼女らはその役割によって戦う定めにある。
しかし最終決戦のさなか、マオちゃんは事故でタイムリープ! 勇者パーティーの通う学校の教師になることに! 2周目の世界で、ユーシャとマオは仲良くなれるだろうか?
――といった筋書き。勇者と魔王が仲良くする系はなんら珍しくないと思いますが、その過程をきらら風の日常系に乗せたのが超好き。なんなら時間遡行の要素もある。好き要素ぜんぶ乗せパフェじゃん。
だいたいタイトルがいいよね。“エンドロール”を日常系にもじってるのが素晴らしい。この時点で物語をメタ的に見つつも少女たちの日常を描かんとする気概が伺えます。7兆点。優勝!
キャラの描き方も好きだった。この勇者パーティーちゃんたちは『属性!!』って感じの子らで、手放しに語ればかんたんに分解できると思う。天然・マジメ・怪力・オタク、ってな具合に。
それらはチープな印象を与えかねないけど、『役割』の破壊を描こうとしているのだから、より強調される必要がある。そんな彼女たちによって送られる日常で描かれる側面によって、各キャラたちが勇者パーティーではなく「普通の女の子たち」にしか見えなくなっていく。
それが彼女らを知っていくマオちゃんのレンズと重なって、途中から『属性!!』では処理できない瞬間が来る。この反転が好きだからこそ、Kg9Lxは日常系が好きで、それをさらにメタ的なものとしてぶちこんできたのだから、もうどうしようもない。どうしようもなく好きだ、結婚しよう! 「えんどろ~!」さん!
勇者パーティー4人のそれぞれの絡み自体もすごくいい。きらら系(きらら系ではないが)のいいところって、各キャラの関係から発展してくるコミュニケーションの芳醇さで――
いや、これはきらら系に限ったことでもないか。とにかく、そう、可愛いを前提として作られてるところがすごい好きなんだと思う。この作品は「じんわり面白い」ぐらいの受け取り方をするひとが多いと思いますけど、自分はもう激烈に好きだった。
あえて“普通“を打ちだして、それを壊そうとしてくる作品にめっぽう弱いんですよね。「普通の女子高生が『ろこどる』やってみた」とか「ローリング☆ガールズ」とかそのあたり。この作品もその系列だと感じています、先に挙げたふたつが好きな方、ぜひ視聴してみては!
ちなみにKg9Lxはこの作品を視聴後「えんどろ~を作った会社で働きたいんだが!?」と思い制作会社の求人を見に行くもできそうな仕事がなくて断念した。めっ、めめめめ免許? 知らない資格ですね……制作進行から演出になりたいだけの人生だった……
2. 『ウマ娘 プリティーダービー 2期』
たとえミーハーと呼ばれようとも、ウマ娘2期を選ぶよ――
あんま言いたくないけど初見めちゃくちゃ泣きました。ごめん、ちょっと強がった、めちゃめちゃめちゃめちゃ泣いた。すなおな感情曲線とポジティブアークだから「はい感動シーン来るよー」と身構えてたのに、めちゃめちゃめちゃめちゃ泣いて涙腺がボロボロになって二度と泣けない身体になったのにまだ泣けたから“奇跡”が起きたんだと思う。安い奇跡だな? そのくらいやられました。
なんでこんなに感動したんだろう? と自問するたびに「作り手が凄いから」という答えに行き着いてしまう。脚本も監督もヤベーわ……と、俯瞰視点でごまかしてたつもりが、気づけば史実テイオーの有馬記念でも泣けるようになってたし、なんならOPテーマ「ユメヲカケル!」のラスサビだけでもうボロ泣きする肉体になってた。じゃあもう単に物語を通してトウカイテイオーのすべてを好きになってるじゃん。もう半年も経つのに、未だウマ娘2期のテイオーに囚われている。ここから出してくださーい!
「ユメヲカケル!」のラスサビが好きなのは、テイオーの永遠性を感じられるからですね。再生すればいつでもあの奇跡を起こしたテイオーに会えて、それが史実のテイオーと重なり、彼女(あるいは彼)がいつまでも走ってくれてるような気持ちになれる。毎回「置いていかないでくれ~!」って泣いてしまう。かと思えば、聞く日のメンタルによってはテイオーが隣で走ってくれてるような気がして「Kg9lxもユメヲカケレルかな!?」って頑張れるんス。めちゃくちゃチョロいのかもしれない、Kg9Lxって。
ゲーム部門
3. ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
たとえミーハーと呼ばれようともブレワイを以下略!
先日、ゲーム総選挙とかいう番組で、1位を取っておりました。まあ、ね。それだけの力はあるよね。動かしてるだけでおもしろかったし。
説明の必要を感じないオープンワールドゲームの大傑作。単純に「面白かった」が突き抜けて選ばざるを得なかった。「ワールドが綺麗」だの「戦闘が面白い」だのしか言えないのに選ぶ他なかったんです。正道のパワーがある。
途中から移動も推理もめんどくなってボムサーフィン(グリッチ)でリンクをぶっ飛ばしてゲーム壊したけど、それでも面白いのは名作の証拠。言うことないです。神ゲー。
4. Outer Wilds
22分でループする宇宙を探索して、前文明の痕跡をたどり「何が起こっているのか?」を調査するオープンワールドゲーム。
田中ロミオ好きな某ラノベ作家が推しまくってたのに惹かれて買いました。PCのスペックが足りず、カクカクな挙動の中「ロミオ好きが推してたってことは濃厚な命の話が読めんだろうなぁ?!」とブチギレながらやってた。操作にムカつくゲームだった。
クリアした誰もがネタバレしないのを徹底してるように、体験がすべてとも言える作品。Kg9Lxは頭脳に自信がなく「おれぁ馬鹿だからよォ、推理ゲーとか出来ないからよォ……攻略サイトに行くぜェ!」とアホ不良キャラぶってネタバレを見まくった。過去の己を殴りとばしたいですね、普通に。これ自分で1からやってたら絶対に感動してたと思う。
クリア後に(厳密には最後が怖くてクリアできず実況動画でエンド見た)ファンサイトで物語の全容を理解して、ようやくスゴいと感じられました。ひとによって生涯ベストをつけるのも納得の内容。自分にはやや刺さった止まりでした。ネタバレ見まくって変な場所に行きまくりストーリーラインはぐちゃぐちゃ、ロクに物語の断片も整理せず、理解できないまま進めてた雑魚(Kg9Lx)に刺さりこむわけないな? うぅ。
謎解きゲーはネタバレを見ずに推理しよう。そう思えた点で印象に残った作品です。すいません。反省してます。
巨大な物語を紐解いていきたいあなたにオススメ! ネタバレは見ないようにしよう!
失敗した者からの忠告ってタイムリープものっぽくてよくないすか。え、べつによくない? あ、はい……
5. ミマモロール!
可愛くて罪深いショタがたくさん出てくるRPG!
公式には「ともだち集めて強くなる!友情と絶望のショタっ子長編探索RPG」だそうです。友情と絶望とショタっ子って並ぶことあるんだ。
Kg9Lxはこのフリゲーを通して、ショタの良さに強制的に目覚めさせられました。可愛い男の娘たちからママと呼ばれたい願望も植え付けられてしまった。どうすればいい?
それは置いとくとして。商業性を度外視してるからこそ、尖ったキャラたちに出会える。なんてのは、名作フリーゲームをやっていて楽しいポイントのひとつです。可愛い見た目の中ボスたちがいちいちエグい方向に振れていたりね。いや、可愛いからこその毒性なのか?(気づき)
とにかく性癖に素直(公式にも書かれてるし)自分の好きを詰めこんだキャラたちは無条件に好きになってしまう。みんなKawaii! 応援したくなるんだわ。「ミマモロール!(見守ろう+役割)」のタイトルが沁みいるね。
そんなゲームのテーマは、おそらく『罪』と『赦し』です。こう書くと凄いな? 表層的なKawaii雰囲気との乖離もまた好きなポイントのひとつ。
ああああああああエイダたんに膨れっ面で拗ねられてェ~!(発作)
「Kg9Lxもこの作品に続け~」と無個性ちゃんと女装ショタがヒロインのラノベを会議に提出しましたがダメでした。編集部さん、対戦ありがとうございましたなのだ。
6. Monkeys!¡
「キミの心を解き放つ、正直者たちのリアルハートストーリー」です。公式の言葉に相違ありません。
簡単に言っちゃうと、女装した不良がお嬢様学校に潜入するエロゲー。
ま、女装潜入モノでつり乙は越えれないでしょ……とか言ってたら肉薄してきて戦慄した。コメディーとしての出来がめちゃんこ好み。というか、自分の目指してる方向の創作を光属性纏ったままぶっちぎってきたわこれ。やり終えたあとに「これKg9lxが作ったことになんねーかなぁ!?」と悔しがったのは久しぶりだよ。ククク……(闇属性)
とにかく演出がよかったですね。シナリオライターの「はと」氏による簡素なテキストは、字面だけ見れば実に淡白。それはアクターの演技を最大限に引きだすためのものであり、どこか脚本じみてさえいる。それにより聴覚的な効果と、視覚的効果の両方が増している。文字書きがこの方向に振り切るのって難しいことだと思う。尊敬しかありません。
さらにさらに。テキストが淡白とはいえ、必要最低限のみをぶちこんでくるわけでもない。ギャグも普通に面白いんです。ずるい! Kg9Lxは文字媒体物語における笑いのハードルが無駄に高いんですが、それでも3回ほど笑わせられました。テンポがね、短いテキストだからね、抜群に良いんだよね。それで唐突に下ネタ飛んできたらさ、笑っちゃうじゃん。最近だと『ぬきたし2』にも同じことやられた。
「嘘をつくのは、人間だけ。」という公式サイトの言葉通り、この作品は人間に重きを置いています。男らしさと女らしさ。他者と自分。身分や階級。さまざまな対立は、社会的な想像力(嘘)でしか起こらないもの。そこで、Monkeysとしての人間に立ち返ることで、嘘を裸にし、一匹の猿がそれぞれ居るだけとして、多様性のすべてを肯定しようとするのはシンプルに感動した。「キミの心を解き放つ、正直者たちのリアルハートストーリー」の言葉に偽りはない。笑うのもまた、人間だけ。コメディーとしてもエロゲーとしても一級品でございました。
OPだけでも聴いてほしいです。このわくわく感って美少女ゲーでしか味わえなくないですか?
最近「文字媒体の商業的物語作品」で面白いお笑いやってるひと、エロゲ業界ばっかりだ。ラノベはもうシコルスキの作者くらいでは? 個人的に氷河期なので、おすすめあればください。ネット大喜利の面白い人達がみんなラノベ書き始めてグチャグチャにしてほしい。Kg9Lxもいちおう頑張りたいとは思ってますよ。思うだけタダ!
書籍部門
7. 創造者
ボルヘスとかいうすごい爺さんの詩集。アルゼンチン幻想文学ブームが個人的に来てたときに勢いで買った。
感想としては、なんだ、おー、まあアレだ、なんか、すげーな。んだァこれ。ああいや、なに、やべえんだよな。やっべーわマジで。なにがヤバいんだか説明はモチできないけどヤベぇ。ハンパねえ、イカしてるわって感じだった。こんな12/31に入って5時間ぶっ通しで書いてる記事じゃ詳しく紹介できない。また今度の機会な!(訪れない)
どうして印象に残っているかというと、この「創造者」は平日朝さんぽで行った公園ベンチで読んでて、近くを通学する小学生と白昼夢っぽい詩を読む無職の自分を対比し「これマジで現実?」と生きてる事実を忘れかけたからです。もうちょいで鏡ん中に引きずりこまれるとこだった(創造者ギャグ)ドッ 早く助けて。
番外. 生まれてこない方がよかったのか?――生命の哲学へ!
作品ではないけど印象深いのでイン!
「生まれてこない方がよかった」という思いを抱えた著者が、世界中の「反出生主義」の系譜を横断しつつまとめて、そこから「生命の哲学」を打ち立てようとする哲学書……であってるよね。すいません。半年前なので詳しくは覚えてないかも。
自分語り失礼します。去年(つまり2020年の)秋ごろに難病が発覚してました。実は。といっても、QOLにほぼ影響はなく、進行も老人になるまでゆっくりで、命の危機はゼロに近いものなんですが。それが発覚したタイミングで、すべての病気や不幸は襲いうる可能性があることをしかと認識し、不幸のイメージにとらわれ、常に生を呪っていた期間がありました。これは仏教思想に頼ってもどうにもならず困っていたところ、アニメ「放課後ていぼう日誌」と出会うことで乗り切った。日常を楽しむ重要性に再度気づかせてくれてありがとう「放課後ていぼう日誌」!
しかし期間を乗り切ろうとも「生の苦痛やべーな」という気持ちと「それでも生まれてきてよかったって思うし、全然」という気持ちが同時に存在し、板挟みにあう日々でした。そんな中、同じ気持ちを抱えてた哲学者が、それを乗り越え肯定しようとしてるのに出会えたのはありがたかったですね。ベネター周りのごちゃごちゃした流れが自分の中で整理されたのもよかった。過去の哲学者たちがどう考えてたか、その考えのどこが良くてどこがどう悪いのか、とかもね。個人的には著者の語る「生命の哲学」よりもニーチェ哲学の方に行き着きそうですが。
「Kg9Lxも生命を肯定するぞ~!」とプロット会議に出したラノベは没になりました。さもありなん。無個性ちゃんと女装ショタがヒロインのラノベです。さもありなん2。
番外. ブスな自分殺すの結構がんばってる。
知らないYoutuberのエッセイ。普通に可愛い見た目なのにタイトルどないやねんと惹かれて購入。
エッセイ自体の巧拙はともかく、行動志向なところがよかったですね。バイトしまくって整形してYoutubeもやって、凄すぎる。同年代の方が頑張ってるところ見ると「うぅ、自分も頑張りたいッス……」ってなって駄目です。涙腺よわよわ!
この、ひなちゃん5しゃいさん? がおそらくノーヒントで人生脚本にたどり着いていて凄かった。自分の場合は王雀孫(交流分析)と野矢茂樹から来てます。知ったような口を利くと、行き着くところは結局ナラティブなのかなという気がしています。これは適当いってるので聞き流してください。
ラノベ部門
8. 石川博品の全作品
もう書く気力ないです。全部いいよ。
やる夫スレ部門
9. やる夫は第二の人生を送るようです
作者の引き出しの多さと展開の読めなさが神がかってる。毎投下たのしみにしてますアマゾン先生。
前作「白饅頭は人類絶滅の夢を見る」を読まないとわからない箇所が出てくるのでこちらから触れてみてください。こちらはゲーム世界で魔物として生まれた男が、復讐として国を作る話。ちょっとグロいけどマジで面白いから。Kg9Lxの物語眼を信じてください。もう書く気力ないのに意地で打ってるからね、この文章。
スマホで読みたい方は、やる夫RSSリーダーというアプリをDLして、R-18作品が見れるよう設定。それからタイトルで検索をかけてください。手間ですが、それだけの価値はあるよ。やる夫スレでしか出来ない表現を追求していてマジに面白い。Kg9Lxの物語眼を信じてください(二回目)
おわりに
あーーーーーーーー。
ていうか腰と目が痛いので、流します。
6時間もかかった。もっと早くから準備するべきだった。あーーーーねむいし疲れたし。
来年もやります、これ。存在できてたら。生きたいですね。お疲れさまでした。
オッドタクシー4話と最終話の感想 ~群像劇における『○○の人』~
※ネタバレ注意
まだ鑑賞してない人。はやく全話視聴してください。
というわけで、オッドタクシーを観た。
TLのアニメに詳しいひとたち(迂遠な表現)がなんかめちゃくちゃ誉めてたから観たよ。@Kg9Lxは意外とミーハー。照れる。
大まかな感想としては、そこそこ面白かったってカンジかな……
いやごめん。玄人面した。超面白かった。
寝る前のおためし1話視聴から一気観するくらいには面白かった。いま目ぇバッキバキ。濃厚なシーン構成に、徹夜明けの脳味噌が壊れるかと思った。神アニメ。
オッドタクシーのいいところって割と何十個も挙げられそうですね。でもまあ、そうだなぁ。強いてひとつに絞るなら、やっぱりキャラクター描写かなぁ。痺れる。ほんとよかった。登場人物ぜんいんに人間味があふれまくっているのは、最終話まで完走した視聴者には言うまでもないことでしょうね。
超よかったよ。だからこそ……
最終話のアレはなんなんだよ!!!!!!111
と思った。なので、怒りに身を任せて感想を書こうとしている。
真犯人のせいで情緒おわった。寝れないよ、もう。
なぜ情緒がおわったのかを書く。
寝れないので、ただ怒りにまかせて、勢いで感想を書いてるだけ。推敲はしませんぬ。ここからはネタバレがんがんするので、まだ居る未視聴勢はオッドタクシーに乗ってください^^ 同じ目にあえばいい。
~群像劇における『無敵の人』について~
前提の共有。無敵の人とはなにか。
簡単に言ってしまえば、『失うものが何も無い人間』のこと。失うものが何もないので社会的な信用が失墜する事も恐れないし財産も職も失わない、犯罪を起こし一般人を巻き込むことに何の躊躇もしない人々を指す。
らしいです。ニコニコ大百科からの引用です。
……ソースがニコニコ大百科!?
それはいいが。
とにかくまあ、あの忌々しい最終盤につながる『無敵の人』というモチーフの種蒔きは、わかりやすくも埋没しやすいように成されていたと思うんですよね。
主に第4話で。
『田中革命』で示されたモチーフと虚構世界への言及、および語り手の存在
斉藤壮馬による怪演のもと、田中という<持たざる人間>の半生が徐々に狂ってくのを描いたこの回。
小学生時代のちいさな失敗の積み重ねを、社会人になってから取り戻そうとする田中。しかし結果として、<持たざる者>である田中は社会基盤を失い、やっと当たったドードーのデータ、さらにはペットのインコまでも失ってしまう――
そのすべてのやるせなさを「タクシードライバーに轢かれそうになったから」という因果関係に丸投げして、小戸川を殺そうと行動しはじめるのが4話の後半です。
物語において、論理的な連鎖反応は、受け手側の関心を惹くうえで必要不可欠だそうですよ。この4話で「田中の人生がおかしくなるまで」を長尺で振り返ることにより、彼の行動原理に納得がいくよう作られています。当の主人公、小戸川には心当たりがないので、まあ、怖いよね。まさしく「無敵の人」が現れた感じだし。
受け手の側では、田中の襲撃の理由はわかります。語り部側の操るカメラのフォーカスによって必要以上の――いちサブキャラには多すぎるほどに――情報を与えられているからです。
「群像劇」という形式をとった恩恵ですね。
そう。この作品は「群像劇」。キャラAとキャラGがサブプロットBで絡まりあうなど、偶然のようでいて、語り部による緻密なコントロールがなされています。
ゆえに、第4話のどこかでグーゼン銃を拾った田中が「神様がどうのこうの世界はプログラムでどうのこうの(うろ覚え)」とかなんとか言ってました。虚構世界への言及がメタ的に行われたことは、重要なポイントになると思います。
小戸川に恨みを抱いたタイミングで田中が「銃」を拾う。また後の話では、適当に言った宝くじの番号がほんとうに当たる。などなど。この作品は一般的群像劇のように、すごめの奇跡がバンバン起こります。作中のリアリティはわりと高めに設定されているのにです。ここに「神≒語り部」の存在を意識させられました(作劇上の都合というのもモチロンあるんだろうけど!)それに加えての田中による虚構世界への言及は、やはりあるていどは意識的なものだと考えます。
問題なのは4話以降。
物語は、あの感動的な12話・13話中盤まで、サスペンス仕立てに進行します。そこにおいて語り部は、群像劇がカタチになるように、緻密なイベント管理やフォーカスする人物の設定を行います。
<持たざる者>ゆえに「無敵の人」となった田中も、話が進むにつれ、語り部のコントロール下に置かれます。彼の襲撃は因果関係を保ちつつ、物語において定期的に行われるイベントへと成り下がってしまう。終盤を除いて。
そうして、書き手の支配下に置かれた田中は、数あるキャラモチーフのひとつとして埋没していく。「タクシードライバー」「医者」「アイドル」「ヤーさん」「芸人」「弱者男性」他にもいろいろ挟まって……そして「無敵の人」。
話数が進むにつれて、特異なモチーフは埋没していく。暴力的なキャラクター複数人か居たのも、影が薄れた原因のひとつでしょう。
かくして『爆弾』は埋め込まれたまま、最終話のエピローグにまで進んでいくわけです。
なんでやねんが聞きたいよ。
最終話のラストで示唆された、フィクションにおける『無敵の人』概念
13話までに様々な人物視点からドラマが描かれました。緻密な構成と、絡まりあった物語。
10億円の行方は一体どうなるのか……大事なひととの「関わり」を守るために、小戸川は勝利することができるのか? そんな大筋。
そんな物語において、語り手のフォーカスを意図的に排されてたキャラがいます。
真犯人のあいつ(名前覚えてない)です。
群像劇の一員でーす☆みてぇなツラしてそれっぽい家庭環境語っておいて、その内に黒いモン秘めてやがった、あの女。
最終盤。物語が閉じられる際(きわ)。最大の謎を「自分がやった」とバラしつつ、小戸川に対する明確な殺意を明かして――タクシーに乗りこみ、真犯人は微笑む。
~おしまい~
ここにおいて『無敵の人』モチーフが完璧に回収されたと言っていいでしょう。
<持てる者>としてエンディングを迎えるはずだった小戸川は、殺意を持ったルール外の人間 に(おそらく)殺されます。
ここでいうルールの外とは、法律等ではありません。
それはもう、ヤーさん絡みの展開で散々語られました。じゃあ何のルールかっていうと、たぶんそれは群像劇のルール。
語り手は、あえて彼女の視点に合わせなかったのでなく、彼女の視点に合わせることができなかった。話の筋は「誰がアイドルを殺したのか」というミステリーではなかったからです。
物語は<持っている>主人公・小戸川を中心とした巨大な渦を形成している。
だから真犯人は『のこされた最後の謎が回収されねばならない瞬間』まで逃れられた、という構造をもっています。
ここにおいてオッドタクシー制作陣の考えた、群像劇における『無敵の人』が示されています。
田中は所詮、物語の中の「無敵の人」。4話まるまる使うことで、そうなってしまうまでを丁寧に描かれた、論理的で因果関係の中にある人物。
対する真犯人は? 物語の外側の『無敵の人』。なので、どうしてそうなってしまったのかは最低限描かれます。ただしこのお話は群像劇なので、そこに至る過程などは、微々たる情報でも成立します。キャラが多いと情報量に制限がかかるためです。そんな彼女の動機と行動は「(物語開始前に)情報を握られていた」→「とりあえず殺す」です。受け手側からすれば「え、いきなりどしたん^^;; 話聞こか?^^;;」としか思えません。だって納得できないでしょそんなの。でも群像劇だから納得できるようになっている。ていうか、するしかないんです。エンディングだから。
そうして<持っている>小戸川の物語は、真犯人の殺意によって、幕を閉じます。
唐突に、受け入れがたく、あっさりと。
簡単に言ってしまえば、『失うものが何も無い人間』のこと。失うものが何もないので社会的な信用が失墜する事も恐れないし財産も職も失わない、犯罪を起こし一般人を巻き込むことに何の躊躇もしない人々を指す。
はいここで再引用。
さらに、物語の幕が閉じると、真犯人である彼女はほんとうに『失うものが何も無い人間』になります。
だって、オッドタクシーという物語は終わってるから。物語の外側では、失いようがない。彼女が懲らしめられる展開など、受け手のきれいな二次創作でしかない。
こうしてぜんぶ崩れて、それまでの物語の積み重ねが反転しました。おわりだよ。小戸川の頑張りの末に得たものは、物語の外側にいたポッと出の猫のせいでおわり。積み上げてきたものが横槍で終了。おつかれさまでした。
社会には多様なルールがあって、ルールの外に居る人間は怖いって話で、最後には『群像劇』のルールから逸脱させる。ここまでしてようやく、物語における『無敵の人』が書けるらしいです。すごいね。こわいね。
まあね。はいはい。上質な話を展開してから、それをルールの外から粉々に投げっぱなしにぶちこわせるのは、まあ、オッドタクシーぐらいのクオリティじゃないと成立しないと思うよ。たしかにね。わかるよ。
まあ、実際、それ許せるくらい面白かったし。納得もできるけど。これが書きたかったんだろうし……実際、弱者男性の描写とかキモいぐらいすごかったし……
いやでも、めっちゃ小戸川さん好きだったし……
だからこそさぁ、もうさあ。普通にハッピーエンド見たかったわけ。最後の最後になんで、回収しきれてない社会派要素を完璧にちかい形で出してくるんだ……
おかげさまで寝れなくなった。
なに。あれなの? もしかしてタクシードライバーがモチーフだから?
映画のほうの『タクシードライバー』の主人公をオマージュして、<何者でもない>役割もてなかった真犯人を出そう! っていう魂胆なの?
なんでやねん。
普通に終わらせてくれたら1200点やったやん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(ダイアンの背が低い方)
いやまあ、バッドエンドとかは百歩譲っていいんだけど……唐突にぜんぶブッ壊されたカンジが、ほんとに涙出るな……
ヘンに長々書いといて、ほんとに言いたいのはこれ…………いろいろ思いだすし、なんか事件とかいろいろ……
ほんとにオッドタクシー好きなんですけど、ほんとに怖い作品になってしまってグチャグチャで寝つけない……
眠れないよー!
寝不足で……
小戸川さんが見えてきた――?
――――
小戸川さん、天国に行くのか………?
あああああああ!
待ってくれ!
――待ってくれ!!
行かないでくれ……!!!(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)
―――――
小戸川―――――――!(シャニマスのプロデューサー)
うわあああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
――え?
いらすとやの……カレー?
小戸川さんが、いらすとやのカレーになったのか――?
【オッドタクシー×シャニマス二次創作・フリー素材のカレー転生エンド】
頭が疲れたので、なにも考えなくていいアニメを観ながら寝ます。
具体的にいうと『はめふら』中盤のピクニックの回です。
さようなら。
最近になって読み終えたやつとかの感想 2020年12月28日
これをやります。今期アニメ感想が1位を取ると思ってたから、結果ぜんぜん集まってなくて驚愕(きょうがく)。
ちなみにアニメ感想が選ばれたら「IWGPの3話に出てくる人気Youtuberみたいなデブが『生のたまねぎを食べる』『サイコロの格好で階段から転げ落ちて、ラッキーナンバーを占う』というカスコンテンツでめちゃくちゃ人気になってるのがカスすぎて面白かった」を1500字ぐらい書いて終わる気でした。 チッ……
んじゃー早速やっていきます。
まずは知らないひと向けの紹介。その後若干のネタバレ(抽象的に留めます)を含む感想、といった進行でゴー。気になるところだけ読んでください。
VA-11 Hall-A
初っ端から書籍ではなくアドベンチャーゲーム。ジャンルとしては「サイバーパンク バーテンダー アクション」らしいですよ、やったねてんこ盛り!
物語の舞台は、いわゆるディストピア。未来の街のちいさなバー。主人公のジルはそこで働いています。
プレイヤーは、ジルの作るカクテルの内容を操作し、客の求めるカクテルを――あるいは求めてないカクテルを――状況に応じて提供します。それによって、客の会話の内容が変わってくる、という内容。
たとえば、度数の高いお酒で酔って口を外す客もいれば、自分の望むカクテルを当ててほしい客も居る。プレイヤーはそんな風にして彼らに干渉しつつ、主に会話の内容を楽しみます。要するに、ノベルゲームのパートが大半。
やってくる客は殆どが風変わり。喋る犬だったり、性処理用アンドロイドだったり、凄腕ハッカーだったり、なるほどサイバーパンクといった面々。下層(いわゆる貧民街)の、さらに片隅のバーを利用する客なので、多種多様なキャラクターが現れます。
そんなバーで酌み交わされる酒と人間関係の起こりを楽しみつつも、プレイヤーは会話の内容から、広大で緻密な世界観を背景に感じ取ります。バーの外でいま起こってる重大な事件を想像する。後日また再来店した客から、相談されてた事態の進展を伝え知る……それはまさに、バーテンダーという視点を楽しむことが出来るます! なんか海外レビューの翻訳みたいになってる自覚はあるます。
視点をバーカウンターに固定しながらも、ここまで世界観の奥行きを作り上げたのは、バーテンダーアクションとして抜きん出た出来なんじゃないでしょうか? 他にバーテンダーアクションがあるのかは知らんけど。
これでセール時1000円ぐらいなのはお買い得なんじゃないすか? バイナーウ!
※以下、ふんわりとしたネタバレを含む感想。
カクテル作るのは単純作業すぎて慣れてきたらつまらないです(罠)。それを補える会話と設定の面白さがなかったら、即死だったかもしれぬ。
会話の面白さについて。
たとえば世界についてメタ的に言及する会話があるんですよ。ゲーム内の登場人物が「自分は作られた世界の中に居るんじゃ?(うろ覚え)」的な感じでバーテンダーに問いかけるシーン。インディーズゲーによく見られる問答な気がしますが、そこに対して本作の主人公が自分なりに示してた答えがすごいよかった(続きは実際にやってみてください)。
そういった哲学的な会話から、痴情のもつれ、ディストピア社会の闇、背伸びしてバーに来た子どもを嗜める会話まで。バリエーションの多い作中カクテルのように、ひとつひとつが味わい深かったですね。上手いこと言えた。
あとは、やっぱりキャラクターがいいです。「ああ、こいつらホントにこの街で生きてるんだな」って思えるのは、しっかり設定された土台とバックボーンがあるからこそ。単調なゲームに飽きないのも、確かな会話文が息づいてるからで、何周しても味わい深い作品。
でもカクテル作りパートがキツすぎる。自分としては3周が限界だった。嫌じゃ嫌じゃもうカクテルは作りとうない!
最後に話の筋について。「壮大な設定のわりに、意外と人間ドラマ路線で進むんだ」みたいな肩透かし感はありました。しかしこれは、飽くまでも世界観は世界観で、そこで生きている主人公の人間ドラマが主題でもいいんだ、と気付いてからは気にならなくなりましたね。
これは未来の街で生きるひとりのバーテンダーの話であって、サイバーパンク2077じゃない。そう思ったら納得。総評として面白かったです。
初っ端から長くなりすぎたので、もう息切れしてます。つれえわ。
語りえぬものを語る
野矢茂樹キッズ待望の文庫化! どこ探してもなかったやつ。
Kindleで即ポチりました。なんか2000円ぐらいしたので泣きました。図書館を上手く活用したい。
この本はタイトルの通り、ウィトゲンシュタインの提唱した「論理空間」の内部に居る以上は語りえないものを整理しつつ、著者のガイドのもと、哲学的な地図のなかを旅していきます。相対主義の話が長々続いたと思ったら、概念習得について話題が変わったり。読者である我々は、平易で分かりやすい文章を足場にして、いろんな哲学の場を巡ることになるのです。
以上。紹介終わり。ざっくりとしすぎ? ていうか真剣に紹介しようとしたら、こんなうろ覚えで書いてる雑魚の記事じゃ追っつかないでしょ、こういう本。
感想いきます。
著者が「一般の読者向けには書かなかった」的なことを言うだけあって、一般読者としては「むつかしいよー!」とタイヤに引きずられながら旅に付いていくしかなかった。つまり読んでて超つかれた。
ただ、様々なものを著者と見ていくうちに、旅の果て、たしかに野矢茂樹氏の示そうとしていた光景が理解できた……ような、気がしま、しま……(あやふや)
夢 の 懐疑 における「 夢」 も、 記憶 の 懐疑 における「 記憶」 も、 われわれ の 論理 空間 の 夢 概念 や 記憶 概念 を 利用 し ながら、 もはや われわれ の 論理 空間 には 収まら ない ところ へと 突き抜け て しまっ て いる。 だとすると、 こうした 懐疑論 ─ ─ 論理 空間 の 懐疑論 ─ ─ に対する きわめて まっとう な 応答 は、「 何 を 言っ てる のか 分から ない」 という もの だろ う。
野矢茂樹. 語りえぬものを語る (講談社学術文庫) (Kindle の位置No.3021-3024). 講談社. Kindle 版.
ここ読んだとき上記の『va11-hallA』やったばっかりだったから、創作キャラによるメタ的な懐疑にも刺さってる気がして笑った。
世界について「これは夢なのでは?」という懐疑を散々語られたあと「何を言ってるのか分からない」だけで切り返すバーテンダーが居たらさすがに面白い。
あと、野矢茂樹せんせー好きポイントとして「ざらざらとした大地」を思い出させてくれるのがあるかも。今回だと、論理空間の中に行為空間という囲い込みをしてくれてたのがよかったです。
あー、もう書くの疲れた……えっ、これあと四冊もあんの? たる……感想記事とか二度と書かないわ……
賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦
まず、登場人物の大半が男(変態)です。通常回でメイン張ってる女キャラは表紙の娘しかいないというまさかのバランス。
メタネタパロネタ下ネタ祭りの作風は、最近のラノベ界でもっとも意欲的に笑いを取りに行ってるシリーズと言って過言でないでしょう。
作者本人が「ラノベ界のルールを無視してる」的なことをツイッターで書いていたような気がする(要出典)のですが、そう、まさにそんな感じ。
ファンタジー作品なのに快楽天とか出てくるし、ネット小説プラットフォームをギャグ的にdisったりしてます。また、編集部への恨みが各所で噴出しています。そのやりたい放題にまみれた楽屋ノリが魅力の作品。
器用な作劇も魅力としてあげられます。小噺のひとつひとつが繋がって物語としてのまとまりを見せるため、読了後の満足度も高め!
ギャグラノベに飢えている方は、是非1巻を試し読みしてみては? バカテスが好きだったあなたにおすすめ! ツッコミキャラの名前が「ユージン」なのはそういうことだと思う! バイナーウ!
はい紹介終わり。以下、3巻のふんわりネタバレ入れた感想。
過激度はたしかに上がってました。
電撃文庫の作品が電撃文庫に牙立てるのはまあ面白いし、他レーベルも容赦なく巻き込むのは、まあメタギャグ作品として本当にすごいと思う。
そう、面白いんですけど、たしかに笑えるんですけど、純粋なギャグの質だけだったら2巻の方が面白かったような気はしなくもないかなあ。2巻の大オチ(こんなの許されるのマジでこのラノベだけ)が強すぎて、3巻の大オチである一連のくだりではそれを越えられなかった感はある。
「噛みつく、タブーを犯す」という観点での面白さは3巻の方が絶対に上なんですけどね。
今までは『何が飛び出してくるか分からない面白さ』があったのが、今回は『ネタの方向性が固定化されて、そのラインの上で面白い』という感じ。既定路線。
それは、作家性が確立された、という事でもある気がします。しかしこの方向に進化して攻撃的に尖るよりかは、色んな幅が見たいなぁと思った(どの目線で言ってる?)
ギャグラノベからダークファンタジーまで手掛ける、作者さまの次の作品に期待ですね! 次はどんな作品になるのかな?
なるのかなじゃねーよ、またギャグラノベ書いてくれ頼む!!!!!!!!!!!!! なんとかなんないのか電撃!!!!!!!!!!!!! ここまでギャグに突き抜けたラノベやってくれてんの現状だともう有象センセーしかいねえんだぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おい!!!!!!!!!! 電ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!! 聞いてるか!!!!!!!!!!!!!!!!(聞いてない。電ちゃんは組織としてあまりにも巨大すぎる……)
梶井基次郎全集
ハイテンションな文章書いた後に白黒写真見ると「え???」という気持ちが強まる。
教科書とかで読んだ『檸檬』のひとの全集。
梶井基次郎はめちゃくちゃ前に死んだ人なので、青空文庫でぜんぶ読めます。でもkindleで全集買っちゃった~。テヘ。100円か200円かそんぐらいでハイライト引き放題なのは最高!
何故これを読んだかと言うと、『檸檬』をいま書いてるラノベの中で引用したくて、そのついでです。ちなみに『檸檬』は引用せず(差し込める隙がなかった)。
全集のすべてに対して感想を述べるのはキツいんで、ざっくりとした感想。
梶井基次郎は肺の重い病に罹っていたこともあって、文章から頻繁に『避けられない近付いてくる死』の匂いが香ってきます。個人的にはそこが一番の魅力だった。目を背けられないから。
死を見据えたままにして日常の風景を切り取り、卓越した言語化センスによってその美しさ、ちいさな心の機微を表現されると「だめだ。こいつツエーわ。勝てねえ」と散々やり尽くされた呂布vsR指定のラストみたいになる。
はー…………(クソデカタメ息)(ひぐちまどか)
JKおやじ! 1~3巻
何日か前の朝方、某掲示板でこの漫画の画像が貼られていて、試し読みしたら萌えで、衝動的に全巻購入してしまった。『アニマル横丁』ぶりに少女漫画ぜんぶ読みました。
これは表紙のハゲタコが扮する女子高生にゲロ萌えするちゃおの4コマ漫画です。
――本物(リアル)を説明するのに、これ以上の説明が要るか?
JKおやじ3巻147pの、あまりに可愛すぎる一枚絵と、あまりに可愛すぎる導入のポーズ。この作品を通読すると、おやじ扮するなでしこちゃんの可愛さに本気で悶えることができます。
4年間連載していることもあってめきめき画力が上達しており、3巻では萌えおやじの萌え嵐に本気で家を吹き飛ばされるかと思った。(おそらく)カードキャプターさくらの影響であるおやじのデフォルメ表情絵が””””真剣”に””””萌えすぎる。
以下、感想。
JKおやじ、三分の一ぐらいは画集として買った感じです。残りの三分の二は、こういう骨格を無視した変身をする話が好きだから。『やる夫は身代わりになるようです』とかオヌヌメですぞ~(やる夫スレ大好きムック)
しかし、どれだけ可愛くともなでしこちゃんは50歳のジジイであり、そのジジイに対して恋心を抱く息子という構図が悲しい。絶対にジジイが若返りTSしてハッピーエンドで終わらせてほしい。
その伏線かは知らないけど、理系の博士みたいなのが出てきてて激アツなんすよね。
アツすぎて、常夏の島に来てしまったのかと思ったヨ。
ブリーチのキャラとデブの黄色い赤ちゃんもそう言っている。
あと単純に『少女漫画のヒロインをジジイがやっている』というワロタ構造のためか、ヒロイン時の台詞がクソ可愛いので創作する上でかなり参考になる。なります。同じ値段でチェンソーマン3冊買ったほうがよかったんじゃね? と後悔した一瞬もありましたが、まあこっちで良かった……これで、良かったんだよな……? 良かったと思う(自己肯定)
もちろん『4コマ漫画』としてそれなりに読めますが、一気に読むと「季節が巡ってるのに年齢が変わらず、関係もほぼ進展しない」「オチのパターンが固定化されててなんとなく先が読める」といった要因から、終わらない周回プレイを見せられてる気分に陥ります。月ごとに読んでるちゃお読者の気持ちになって進みましょう。
現場からは以上です。
ゴリオ爺さん
あーあ、もう最後だし適当でいいかー……疲れたし……JKおやじの紹介に気力のすべてを吸いつくされたし……
なんか、モームとかいうひとが世界10大小説に選んだらしい。たしかに。名作。
内容を紹介するとー、なんか心が綺麗なヤバいジジイが出てきて、最後は死にます。
感想は、まあ、おもしろかった。その時代その場所に生きてる人じゃないと書けない話が好き。まあ大半そうなんだろうけど。
終わり。
あー、マジでだめ。疲れた。目痛い。肩痛い。腰痛い。こういうの、日を置いて書くとメンドいから一気に手掛けてしまう。
アンケートなんて取らなきゃよかったーーーーーーーーなとす。タナトス(何?)
近況はまたこんど更新するかもしれないし、しないかもしれない。
ではまた。